以前、星空文庫にあげていたものです。
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目が覚めたら、4限が終わっていた。
3限の途中から小説を読んでいたところで記憶が切れている。
どうせ体育だったし、水泳だし、1回くらい別にかまわない。
教室の中が汗とスプレーのにおいでよくわからないことになっていた。
「なに授業サボってんだよ」
ああ、来たか。
私は何も答えない。何をしようが結末は同じだ。
いつもなら。
「黙ってんじゃねえ!」
あいつは私につかみかかってきた。どうせ次は、
「何とか言えつってんだろ!」
左フック。
その勢いで、私は近くの机に頭をぶつけた。
「痛っ……。」
あいつはライターを取り出してタバコに火をつけた。
この匂いは好きになれない。あと、のどが痛い。
「それでは第37回、がまん大会をはじめま~す!」
第37回じゃなくて第42回だよバカヤロウ。
周りはクスクス笑いながら、あいつの後ろへと移動していく
私はじりじりと後ろへ下がっていく。
机を押しながら。窓のほうへ。
気がついてみれば、私は窓と机を背にして行き止まり。
前を見ればクラスの全員があいつの後ろで笑っていた。
「それじゃいきま~す。」
あいつは火のついたタバコを近づけてきた。
刹那、タバコの火は激しく燃え上がり
その炎はあいつの服へと広がった。
私の手には、机の上にあったコールドスプレー。
騒然となる教室。
私は、机を踏み台にして窓から飛び降りた。
痛かった。
だけど、ひたすらに走った。
勝利の予感しかなかった。
結構燃えてたし、水泳の後だし、こんなご時勢だし。
校門の前に止めてあった自転車に飛び乗った。
誰かが追いかけてくる様子はない。
このまま行けるところまで行こう。
お金と体力の続く限り。
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余談ですが、
この原理で隣の高校が物理的に爆発しました。
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