2012/11/30

『わくわくを』


つまらなくなったのは、自分自身……なのかもしれない。

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僕らが白黒の怪物たちに、放課後全てを捧げたのはほんの10年前のこと。
必死に電池を集めたり、カートリッジを吹いていた頃。
お年玉を全部はたいてやっとソフトを買えたそんな頃。

いまや時代はフルカラー。
モンスターを育てる物語から、
モンスターを狩る戦場へと世界の中心は移っています。

取り残されたようにモンスターを育て続けているその間にも、
5,000円のソフトどころか、20,000円のハードだって、
普通に買えるようになりました。

ハードの進化は想像以上。
お金の余裕もあるけれど。

でも、なんだか物足りません。
欲しい物なんて1つもなくて。

「最近は面白いゲームがない。」

なんて言うのは簡単ですが、そろそろ認めざるを得ないでしょう。
僕らは何かを失くしたんだと。
それは時間なんて気にしてなかった無謀さか、
いつまでもプレイし続ける集中力か、
それが何かはわからないけど。

心の中のわくわくがどんどん外へ逃げていっているのです。

でも失ったものがあれば、手に入れたものもあって。
それは知識とか技術とか言われる「力」。
心の中のわくわくが、どんどん外へ逃げていっているのなら、
それを自分たちで埋めればいいんだって。

そうしてできたものが、誰かの心も埋めることが出来ればいいなと、
本当にそう思うんです。

2012/11/18

COMITIA102 今日です。

本日東京ビッグサイトで行われるCOMITIA102に参加してきます。
先ほど製本が終わりました。

その様子の写真。












表紙の画像はサークルのウェブページ(gymb.jp)に上がっています。
以下、新刊情報。

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行きたい世界に行けるなら、
あなたはどこに行きますか?

COMITIA102 新刊
『黒の世界を』 8p. 掌編小説

サークル 彳(Gyonimben)
スペースナンバーE11b

その他既刊多数。
(内、『屋根から降る雨』・『ほたて缶』に参加)

ご来場お待ちしております。

2012/11/16

80までブログを続けたとして

このブログのアクセス数のログを使って、
回帰分析ツールでいろいろ遊んでみました。
(回帰分析とは、ある変数yを最もよく近似する直線ax+bを計算する方法です。)

今回は累計アクセス数(PV)をy、
このブログに引っ越してからの日数をxとして、
y=ax+bのaとbを計算します。

それで計算してプロットしみたのが下の図。
赤が実際の推移で、黄色?が近似直線です。
累計アクセス数は絶対に右肩上がりになるので、回帰分析と相性がよさそうな気がします。



ところで、この直線はy=ax+bのxが日数なので、
xに好きな日付を入れるとその日までの累計アクセス数を予測(笑)することができます。

ということで、
80歳までブログを続けたとしてどのくらいのアクセス数が見込めるかを調べてみました。

その結果……103457PV !

あと60年近く続けてやっと10万です。
100万再生の動画とか恐ろしすぎです。

ちなみに、昨日までの結果で調べたら10万切ってました。
世界各国のクローラさんありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
生身の人間もいっぱい来てくれると嬉しいです。

こつこつ記事を上げていけばPVの伸びも少しは上がっていくでしょう。
たぶんね。


(回帰分析において、説明変数(ここでいう日数にあたるもの)は1つである必要はなく、
 日数と記事の長さとかでも回帰を行うことができます。
 その場合はy=ax1 + bx2 + c みたいな感じになります。やりませんが。)

2012/11/12

COMITIA102に参加します

今週末、11/17に行われるCOMITIA102に新刊出します。

8pの小説と散文詩の合いの子みたいなやつです。
かっこいい表紙が付く予定です。
お時間がある方は、ぜひぜひ。


あと、既刊も持っていく予定なので、
そちらもぜひぜひ。


サークル名:彳(ぎょうにんべん)
スペース:E11b

2012/11/06

『僕がペンを走らせるのは』

ここ一年くらいいろいろ書いたり描いたりしましたが、
要約するとこうなる気がします。

裏紙から始まる夢物語が、
いつまでどこまで続くかなんて
きっと誰にも分からない。

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僕がペンを走らせるのは、
自分の両目を塞ぐため。
黒と灰色のこの世界から、
自分の瞳を守るため。

僕がペンを走らせるのは、
心の隙間を埋めるため。
ないものだらけのこの世界の、
寂しさを少し埋めるため。

僕がペンを走らせるのは、
ここにいるよと叫ぶため。
モノにあふれたこの世界で、
自分の居場所を示すため。

僕がペンを走らせるのは、
自分自身に出会うため。
考えてもない無数の言葉が
リンクをたどって表れる。

僕がペンを走らせるのは、
見たい世界を描くため。
裏紙から始まる夢物語は、
いつかきっと僕らを変える。

2012/11/01

『幻燈』

欲しい物を手に入れたとしても幸せとは限らないというお話?です。
掌編なので、さくっとどうぞ。

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僕には好きな人がいる。
楽しいことがあった日も、
悲しいことがあった日も。
いつも公園で微笑んでいる。

僕には好きな人がいる。
何度も会うけど、名前を知らない。
試しに聞いてみたけれど、
答えは帰ってこなかった。

僕には好きな人がいる。
雨の日だって、公園にいる。
どんな土砂降りの日でさえも、
傘も差さずに微笑んでいる。


僕には好きな人がいた。
ある日いきなりいなくなった。
探したけれどだめだった。
あの微笑みはどこかに消えた。

僕には好きな人がいた。
いつしか公園はさびれていた。
でも草むらの中からついに見つけた。
彼女に出会う手がかりを。


僕には好きな人がいる。
公園ではなく、僕の部屋。
無口な彼女は饒舌になった。
今日も今日とて、優しく微笑む。


でも、なぜだろう全然笑えない。
あのころよりも仲良くなれたのに。
彼女はまだしゃべっていたが、
僕はそっとコードを抜いた。

完璧なその微笑みは、
完璧なまま時間が止まる。